東宝ミュージカルアカデミー 稽古場レポート Vol.8
| 受講生のレポート第2弾は、「レ・ミゼラブル」フイイ役で出演予定の石井一彰が、12月11日から31日まで行なわれた声楽指導の楊淑美先生のワークショップの模様をお知らせします。 |
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毎日、東宝ミュージカルアカデミーの一日は午前10時から始まる。いつもの様に稽古場に着くと、見たことのない長身のすらりとした女性が立っている。楊淑美先生である。もの凄いオーラに、生徒は皆緊張している様子である。レッスンが始まるとその緊張もほどけ、大変充実した時間を生徒全員が過せたのではないだろうか。
今回歌唱指導という事で来ていただいたが、それ以上に多くの経験ができたと思う。まず楊先生は、生徒1人1人の声を聞いてまわり、それぞれの弱点を短時間で見極め、アドバイスを始められた。先生の歌唱指導の中で最も重要視されているのは体の使い方である。体の各部分を動かしたり伸ばしたりすることで、喉への負担を少なくするというものである。1日目は最初ということもあり、喉のメンテナンスについても指導を受けた。声帯をリラックスさせるために鎖骨の下の筋肉をマッサージしたり、喉をサイレンの様に鳴らすことにより声帯に柔軟性を付けることなどを学んだ。初めはうまくできなくても、先生のアドバイスで、体の各部分を動かすうちにできるようになってしまう。マジックを見ているような錯覚におちいる。
また声の出し方の種類についても指導を受けた。ニュートラルは普段話している声。ミックスは地声と裏声をうまく融合したもの。また、息の流通をせずに出すベルト。舌を前歯の裏に押し付けて出すトワングなどである。こうした声の出し方を使い分けることは、曲のタイプの違いや歌い手の感情を表現する他、喉への負担を少なくするためにも大変重要になる。それぞれの練習の仕方を文章にして説明するのは難しいので、ここではこれで留めておくが、この使い分けによって高音が出せるようになったり、感情が入れやすくなったりとよい効果が期待できる。楊先生の説明は具体的であり、原因と結果の関係が明確である。この時期にこのワークショップが行なわれたことで、生徒全員が歌というものに対するモチベーションが上ったと思う。
| 2日目に入ると、山田和也先生の試演会で発表したミュージカルナンバーを使って、踊りながら歌うという事についてのレッスンを受けた。歌をセリフにしてその感情を理解することで、より中身のある歌にしていく。また、振付の体の使い方をうまく利用して声を出す方法も教わった。レッスンの最後には、DVDやCDを聴いて、その人の出している声は何かを当てるという事もした。楊先生にかかれば、どの歌い手の声の出し方も分かってしまう様であった。また先生の説明により、1曲歌う中で何種類もの発声方法を使い分けていることが分かった。 |
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3日目は1人1人が自分の歌いたい曲を先生に見ていただく時間となった。まず、みんなの前に座り、その役になりきって質問を受ける。感情が高まってきたあたりで歌い始める事で、曲全体にその人の思いが浸み込む。
楊先生は1人1人の歌を聴き、的確なアドバイスをくださった。それまで出なかった高音が出たり、歌い方が変わったり、全員に何らかの変化が起きた。その変化の過程を目の当たりにして、ただ凄すぎるとしか言えない。
ワークショップを終えて感じたことは、東宝ミュージカルアカデミーの生徒は充実したかけがえのない時間を過ごしているということである。1日目に楊先生がいらしてから3日目に帰られるまで、あっという間であったが、生徒は一生分の大事な時間を過ごし、多くのテクニックと経験を得たのではないだろうか。この様な体験ができたことを感謝したい。
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