ハンガリーと日本のアーティスト、シルヴェスター・リーヴァイ国際ミュージカル歌唱コンクールを受賞
―第1回シルヴェスター・リーヴァイ国際ミュージカル歌唱コンクール―


 女性ソロ部門はアナマーリア・バラニャイが受賞。男性ソロ部門ではシード・ザードリ、キャラクター部門ではミクローシュ・マーテー・ケレーニが受賞した。グランプリに輝いたのは日本の平田愛咲。パリチ野外劇場にて開催。ブダペスト・オペレッタ・ミュージカル劇場での華やかなガラコンサートでこの大規模な国際コンクールは幕を下ろした。

 6月29日、30日、グラミー賞受賞者であるリーヴァイ氏の出身地スボティツァ(セルビア共和国)にてセミファイナルが――ネープケル・ハンガリー文化センター及びスボティツァ・ハンガリー・シアター・カンパニーとの共同開催により――行われた。セミファイナル出場者には、リーヴァイ氏のミュージカル作品から1曲と自由選択曲1曲の計2曲が課された。出場者はスボティツァ国立劇場において熱狂的な観客と厳しいプロの審査員を前に歌うこととなった。審査員はドイツの演劇史学教授ヴォルフガング・ヤンセン、セルビア人作曲家コルネリエ・コヴァチュ、プロデューサー、カルチャー・マネージャーでペンタトン・コンサート・エージェンシー幹部のジェルジュ・レーリンツィ、ミュージカル女優カタ・ヤンザ、そしてシルヴェスター・リーヴァイの『エリザベート』で千回以上主演を務めたオランダ人女優マヤ・ハクフォートだった。

 セミファイナル出場者の中から若き16人のアーティストがパリチ野外劇場にて行われたファイナルへと進出した。その他の出場者には今大会のためシルヴェスター・リーヴァイとハンガリー国立ブタペストオペレッタミュージカル劇場総裁のミクローシュ・ガーボル・ケレーニ(ケロ)によって特別に用意された記念のプレートと表彰状が授与された。

 ファイナルでは本もののミュージカル・ショーを観客は楽しむことができた。ファイナル進出者は自分が選んだソロ曲とともに、リーヴァイ作品のユニークなデュエットを披露した。それはハンガリー語と日本語、ハンガリー語とドイツ語、ルーマニア語と日本語によるデュエットだった。その後、審査員のカタ・ヤンザとマヤ・ハクフォート、スペシャルゲストのシルヴェステル・サボー・Pとゾラン・サンドロヴの特別パフォーマンスもあり、『エリザベート』の「死の舞踏」がセルビア語で歌われた。また、『エリザベート』のメインテーマがアレクサンドラ・コヴァチュによるアンプラグド・アレンジという珍しいかたちで披露された。ブダペスト・オペレッタ・ミュージカル劇場交響楽団の指揮はラースロー・マクラーリだった。

 スボティツァの市長であり、本コンクールの主な協賛者であるサシャ・ヴチニチとコミュニティ・セクレタリーのミロラド・ジュリチはメッセージで次のように述べている――シルヴェスター・リーヴァイは音楽への愛を各世代の人々に教えてきました。このコンクールへの支援は疑問を持つまでもない当然のことでした。リーヴァイはこのように述べています。作曲家は歌を観客に向けて書き、歌手もまたそれを観客に向けて歌う。そのことによって彼らの人生を1、2時間でも明るくできるならば、それは努力に値することだ、と。ブダペスト・オペレッタ・ミュージカル劇場の演出家であり、コンクールの創設者であるガーボル・ケレーニ・ミクローシュはやがて世界中の人々が本コンクールのことを知り、シルヴェスター・リーヴァイ国際ミュージカル歌唱コンクールの未来のアーティストたちに称賛を送ってくれることを願っています。

 受賞者は4名。キャラクター部門ではブダペスト・オペレッタ・ミュージカル劇場所属のミクローシュ・マーテー・ケレーニが受賞。女性ソロ部門ではアナマーリア・バラニャイ、男性ソロ部門ではシラード・ザードリが受賞した。どちらもブダペスト・オペレッタ劇場スタジオの卒業生である。受賞者には賞状とスボティツァのタウンホール・タワーをかたどった彫刻(ゾルターン・ホルヴァート制作)、そして2000ユーロが授与された。総合優勝を勝ち取った平田愛咲には5000ユーロが贈られ、シルヴェスター・リーヴァイ特別賞は500ユーロとともにベオグラードの女優ミレナ・モラヴチェヴィチと日本人の小野田龍之介に贈られた。リーヴァイによる『レベッカ』のマキシム・ド・ウィンター役で数ヶ月前デビューしたばかりのフロリン・ブドナルには特別賞の1000ユーロが贈られた。

 7月4日、第1回シルヴェスター・リーヴァイ国際ミュージカル歌唱コンクールはブダペスト・オペレッタ・ミュージカル劇場にて開催された華やかなガラコンサートで締めくくられた。ファイナリストとともにアティッラ・ドルハイ、カタ・ヤンザ、ダーヴィド・サボー、シルヴェステル・サボー・P、ジュジ・ヴァーゴーといった同劇場の常連である人気ミュージカル・スターがお気に入りのリーヴァイの楽曲を歌い、受賞者とデュエットした。ヘレンド磁器製作所からは特別賞がミリツァ・ヨヴァノヴィチ、ルーマニアの『レベッカ』でデビューしたアレクサンドラ・クラエスク【Alexandra Craescu】、そして審査員をその強烈な個性で圧倒したサンドラ・フェイエスに贈られた。ブダペスト・オペレッタ・ミュージカル劇場からは、魅惑的なパフォーマンスを行ったペーテル・シャーンドルにスカラシップが授与された。ドゥナ・テレビジョンのディレクター、シルヴェステル・オーコヴァーチからは優秀な若手シンガーのための賞が、若きアーティスト、デーネシュ・コチシュに贈られた。

 2012年にはイムレ・カールマーン(エメリッヒ・カールマン)の名を冠した国際オペレッタ・ミュージカル指揮コンクール(シオーフォク市と共同主催)がブダペスト・オペレッタ・ミュージカル劇場にて、2013年には次のフェレンツ(フランツ)・レハール国際オペレッタ歌唱コンクールがコマルノにて開催されることが演出家ミクローシュ・ガーボル・ケレーニにより発表された。また、次回のシルヴェスター・リーヴァイ国際ミュージカル歌唱コンクールはスボティツァにて2014年の開催が予定されている。
以上



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