大竹しのぶさん 紫綬褒章受章会見レポート

日比谷シアタークリエにて、平成23年秋の褒章にて紫綬褒章を受章されることが決まった大竹しのぶさんの受章会見が開催されました。


●ご挨拶
大竹しのぶさん:
ありがとうございます。
こんな名誉ある褒章を頂いて、自分がすごく長い間やってきたのだということを噛みしめています。
ずっと私と関わってきたスタッフ、一緒にやってきた仲間たちに支えられてここまでやってきたので、出会った皆に感謝したい気持ちで一杯です。
そして、これからも、もっともっといい芝居を届けられるように頑張って行きたいと思っています。


●質疑応答
Q.長い間女優のお仕事をやられていますが、ご自身は「大竹しのぶ」という女優をどう見てらっしゃいますか?
体力はあるんじゃないかと思います(笑)。
今演じている『ピアフ』もそうですが、芝居をすればするほど、放出すればするほどエネルギーが自分の中に蓄積されていくのが分かるので、体力は限りなくあるのだと感じます。


Q.紫綬褒章という秋の叙勲を頂いて改めていかがですか?
長い間やり続けてきたことに対して評価して頂いたことが嬉しいです。
体が健康でいられたからこそ続けられたことでもありますので、健康な体に生んでくれた両親にも感謝したいと思っています。


Q.今年は舞台だけでなく映画でもご活躍でしたが、この1年を振り返ってこの章を頂くだけのことをしたんだという実感はありますか?
緒形拳さんが若い頃に「役者っていうのは十年に一度、本当にいい仕事が出来たって思えて、そういう役にめぐり逢えたら幸せなんだ」とおっしゃっていたことがありました。
今回の『ピアフ』、『身毒丸』、テレビドラマもそうですが、めぐり合う役たちが私にとって素晴らしい役だったので、本当に幸せです。
役たちに出会えたことが私をすごく成長させてくれているので、演じてきた役にもとても感謝しています。


Q.女優を続けられている中で、自信になった舞台・映画・テレビドラマを挙げて頂けますか?
私にとってのデビュー作である「青春の門 筑豊編」という作品です。
浦山桐郎監督から、最初のワンカットで「川原で一時間お弁当を食べないで、幼馴染を追いかけなさい」と、役になる基本を教えてくれました。
今はない日比谷映画の完成披露試写会に行ったときに私はぼろぼろと涙を流してしまったのですが、「お前を見てくれたお客様にお礼を言いなさい」と浦山さんがおっしゃって、お客様に対して泣きながらお礼を言ったことを覚えています。
それが今もこれからもお客様に対して「見てくださってありがとう」という気持ちを持って、必死になって役を演じるという私の基本になっています。


Q.今回紫綬褒章を受けられて今後の女優活動にどのような影響があるとお考えですか?
自分の中では変わらず、今まで通りやっていきたいと思っています。

Q.東日本大震災から7カ月以上たちました。また冬を迎えて厳しい時期になってきますが、
被災地の方にメッセージをお願いします。
震災後、自分のコンサートを中止にしました。
あの時ほど自分の仕事に対して無力感を感じたときはありませんでした。
「頑張ろう」と言えない状況の時に、一体芝居というのはどれだけ力を与えられるのだろうと思いました。きちんと仕事があって余分なお金があってはじめて、芝居というものは見て頂けるんだなと・・・落ち込んだ時期もありました。
それでも、芝居でしか与えられないものもあるので、これからも舞台の上に立って行きたいと思います。
そして、いつかエネルギーを届けに行きたいです。
今は毎週ラジオという言葉を発信するメディアを使って、毎週色々と考えていこうと思っています。

Q.東京公演に続いて『ピアフ』の地方公演もありますが、この受章が励みになりますか?
嬉しいですし、励みにもなります。
ただ、これからも自由でありたいと思っています。
以前、ニューヨークで公演した時に客席の70%くらいが外国のお客様だったので、東京で公演するよりもすごく自由に芝居が出来て、それまで「上手なものを見せなくちゃ」という意識があったことに気づかされました。
褒章を頂いたことを、そのようなプレッシャーにはしないようにと思っています。


Q.大竹さんは常に新しい役や難しい役へチャレンジされていますが何がチャレンジ精神を支えていますか?
長く生きれば生きる程、チャレンジ精神は強くなってきたのかもしれません。
いつもどこかに「絶対に出来る」という思いがあります。
若い頃からの口癖なのですが、「絶対大丈夫」というところを目指していけばいい、出来るとか出来ないと考えるより、やりたいかやりたくないかで結構ものごとを決めている部分があります。
一方で「まあいっか」という座右の銘もあるんですけど・・・(笑)。


Q.大竹さんにとって演じるということはどういうことですか?
ピアフの台詞の中に「私が歌うときは、私を出すんだ、全部まるごと」という台詞があります。
本当に全部出したいし、全部さらけ出したいし、さらけ出さないといけないという思いがあります。
それによってお客様が解放されて、お客様が解放されると私も解放される、というある高みまで行ったときが、一番私のエネルギーになっていると思います。それを解放するには良い台本と良い演出と良い共演者じゃないとダメなんですけど、やっぱり演劇という場では全部出したいって思います。


Q.デビュー作のお話もありましたが、37年間の女優人生でこれが転機になったなという出会いはありますか?
たくさんありますが、最初に結婚した主人との出会いがあります。その当時、つかこうへいさんにはNHKのドラマで、無心で前に出ていく芝居の手法を教えて頂きました。さんまさんにも『男女7人・・・』でコメディが楽しいものだと思わせてもらいました。
蜷川幸雄さん、野田秀樹さん・・・ピアフではないですが、いろんな男の人たちが支えてきてくれたなというのは思います。そう言ったらかっこよく聞こえますね。(笑)


Q.来年以降こんな仕事に取り組んでいきたいとか、目標はありますか?
来年は蜷川さんとシェイクスピアをやるのですが、ロンドンでも公演が予定されています。海外公演は様々な方に見てもらえるので、とても刺激的です。
また原点に戻れる気がして、楽しみです。
希望としては、新藤(兼人)監督が100歳になられるので、短かい映画で良いので撮ってくださったらすごく嬉しいです。


『ピアフ』ホームページはこちら




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