製作発表レポート


初日前日に、ピアフとその愛する男性4名による合同取材会が行われました。


(左から KENTAROさん、碓井将大さん、大竹しのぶさん、田代万里生さん、山口馬木也さん)

Q.いよいよ初日を迎えますが、すっかりピアフですね。ピアフ(大竹さん)から共演者の方をお一人ずつ紹介していただいてもよろしいでしょうか?

大竹さん:まず、シャルル・アズナブール役のKENTAROさん。私に捨てられる男です(笑)。
KENTAROさん:はい、捨てられます(笑)。
大竹さん:テオ・サラポ役の碓井将大さん。本名がテオ…テオ・バニュス・ランボ…何とか。
碓井さん:「ランボ・何とか」って言われた(笑)。
大竹さん:私を看取ってくれた人です。
それから、イブ・モンタン役の田代万里生さん。今はこんな恰好をしてますが…。
田代さん:ここから、ピアフさんのおかげで洗練された男になっていきます。
大竹さん:そして、マルセル・セルダン役の山口馬木也さん。ボクサーで、飛行機事故で死んでしまう男性です。




Q.これまで様々な方が「ピアフ」を演じていますが、大竹しのぶの「ピアフ」はこんな感じで演じようというイメージはありましたか?
大竹さん:大竹しのぶの「ピアフ」とは思わなくて、まず「ピアフの歌声はなぜ人を惹き付けるのか?」ということを知りたかった。演じているうちにその答えがきっと見つかるかなと思って。

Q.お稽古からいよいよ初日ですが、その答えが少しは見えてきましたか?
大竹さん:すごい強くなりますね。特に歌ってるときはすごい神聖な気持ちになります。その反面、普段のピアフの性格と生活はめちゃくちゃなので、そこが逆に面白いですね。
あと、4人の男性たちがみんな良い人だなと思います。


Q.セリフ以外に15曲のシャンソン・ナンバーを歌われますが、歌う方としてはいかがでしょうか?
大竹さん:すごいプレッシャーです。ドラマの中で歌うんだったら全然良いのですが、歌手としてのステージで歌わなければならないので、すごく辛いなあと思います。

Q.どの曲目が一番難しいですか?
大竹さん:「回転木馬」です。すごく単純なメロディーなんですけど、どうやって魅力的に歌うかが難しいですね。

Q.しのぶさんはライブでいろいろと歌を歌ったりしてらっしゃいますけど、そういうところと「ピアフ」の物語の中の歌とはやっぱり違いますか?
大竹さん:そうですね。ピアフはごまかしが全くない人で、息を抜いたりとか、声を抜いたりとかがない、逃げない人ですね。真っ向勝負というか、パーンと最初から最後まで絶対に弱くならないっていう、そのエネルギーがすごいなと思います。

Q.ピアフを演じるにあたって参考にした方はいらっしゃいますか?
大竹さん:美輪明宏さんのピアフはもっと美しいですけど、私の演じているピアフは全然美しくないですね(笑)。外見というよりも、例えば薬物におぼれるところとか、男の人とすぐ関係を持つところとか、よりピアフの内面にクローズアップしているから、もっと生々しいですね。

Q.男性とすぐ恋に落ちるんですよね。この4人の方ともそれぞれ見せ場があると思うんですけど、一番際どいラブシーンを演じるのはどなたとなんでしょうか?
一同:マルセル…マルセル…。
山口さん:僕ですかねぇ。きわどいんですかねぇ。
大竹さん:(上半身)裸ですもんね。
山口さん:汗びっしょりで、いつも申し訳ないなと思ってます…。
一同:(笑)


Q.しのぶさんのピアフはどうですか?
山口さん:それはもう素敵ですよ。ピアフそのもの。何年後かには「ピアフ」か「しのぶ」か、と世間で評判になるのでは。それくらい稽古初日からみんな感動して、歌では泣いてっていう、すごく貴重な時間を一緒に過ごさせてもらっています。

Q.イブ・モンタン役の田代さんはいかがですか?
田代さん:稽古中、普段は自分の出番じゃないシーンでは、自分の次の準備をしてたり、楽屋で勉強してたりすることが多いのですが、今回は稽古の段階から自分の出番じゃないシーンも、必ず全員が観ている。特に、しのぶさんはずっと舞台に出ずっぱりで、みんな舞台にくぎ付けになってます。

Q.それでは、本公演が楽しみですね?
田代さん:いや、逆に初日を迎えると、客席で観られないのが残念です(笑)。なので、観られる部分は舞台袖から観つつ、一緒に舞台で生きていきたいと思っています。

Q.シャルル・アズナブール役のKENTAROさんはいかがですか?
KENTAROさん:とにかく毎回毎回刺激をいただいて、共演できることが夢のようですし、毎日毎日進化されるので、それに付いていくように必死にがんばっています。

Q.さて、最後に、20歳の年の差でピアフを看取って、最期まで支えていくテオ・サラポ役の碓井さんはいかがでしょうか?
碓井さん:あんまり年のことを言うと、大竹さんに怒られるんで…(笑)。
大竹さん:怒ってないよ(笑)!
碓井さん:僕は本当にこういう発言が多くて、みんなに迷惑ばっかりかけるんですが…(笑)。すごく充実した稽古場になりました。難しい脚本だったので、大竹さんや梅沢さんのシーンを観るまで、どういう風なステージになって、どういう風な流れでこの芝居は流れていくのかがなかなか見えなかった。そういう意味では、本当にいい経験になっています。


Q.しのぶさん、テオが20歳も年下ですと、やっぱり初々しいですか?
大竹さん:実際はもっとうーんと下なんですけど、親子に見えないようにしたいです。親子よりもっと年下なんですけど、そこは忘れて(笑)。
一同:(笑)。
大竹さん:ね!
碓井さん:はい!
一同:(笑)


Q.演出の栗山民也さんが今回のしのぶさんの「愛の讃歌」は、他の様々な人たちのを聴いた中でも素晴らしい、と仰っていますが、歌ってて我を忘れますか?
大竹さん:力をもらえますね。「愛」っていうものが、「人を愛する」ということが、やっぱり生きる力なんだなと、歌ってて思います。「愛が無いと生きていけない」なって思います。

Q.愛する人を亡くした女の悲しみというか、そういうのを経験してらっしゃるから、演じていて少し思い出したりすることはありますか?
大竹さん:ピアフ自身がそうだったように、歌うことによって力をもらうというか、歌によって生きる、もう一回生きようっていうのはすごく思います。私自身、そういう経験があったんですが、逆に、ピアフの歌を歌うことによって「悲しみの先の喜び」に置き換えることができるので、すごい歌だなと思います。

Q.ピアフそのものが歌を歌いながら、世の中を変えていったり、世の中の人に夢を与えたりしていますが、今年の日本は悲しい出来事がたくさんありました。今回、この「ピアフ」を震災後の日本のみなさんに、どんな感じで観ていただきたいと思っていますか?
大竹さん:私たちの仕事は、高い入場料を払ってもらって、時間を使ってもらって観に来てもらうので、ピアフのセリフの通り「何かが起きなければ」と思っています。演出の栗山さんが今日も私たちに言っていたんですが、「劇場に来るっていうことは、何かが起きなきゃダメなんだ」と。その何かを起こすことによって、お客さんが「生きる力」を持ってくださればと思います。

Q.「水に流して」という名曲がありますが、後悔をしないで生きていこうという歌ですけど、しのぶさんも集中すると家に帰っても役どころのままだと聞いていますが、今回はいかがですか?
大竹さん:そんな、ピアフのままだと怖いですよ~(笑)。
一同:(笑)


Q.じゃあ、舞台の数時間だけピアフで、終わったら素のしのぶさんに戻るということですか?
大竹さん:そんなこと言ったら、終わった後も4人と恋しないといけないじゃないですか(笑)。
一同:(笑)


Q.それぞれの色合いの違う愛人4人ですけども、このカンパニーは楽しいですか?
大竹さん:4人ともみんな紳士で優しいので、すごい幸せです。
一同:良かった(笑)。



Q.今回の舞台を一番最初にあの人には観てもらいたいなって人はいらっしゃいますか?
大竹さん:特にありません。子どもたちは観に来ると思います。

Q.最近、「年の差婚」が注目されていますが、周りの共演者の方々がお若いですが、いかがですか?
大竹さん:そんなに若くないわよね(笑)。
一同:そんなに若くない(笑)。
大竹さん:逆に男の人が年上で、若い女性と結婚することがあるじゃないですか。いいなあって思います。男の人はずるいなって思います。がんばります(笑)。
一同:(笑)


Q.ピアフが亡くなって半世紀が経ちますが、多くの映画や舞台の題材になっています。ピアフの魅力や力って何だと思いますか?
大竹さん:やっぱり「エネルギー」だと思います。人を愛すること、歌うことに対してのエネルギーが半端じゃないなって。

Q.20歳の時に自伝をご覧になって、実際に演じられて改めて感じられたこと、見えてきたことはありますか?
大竹さん:ピアフは孤独な人だけど、歌っているときはすごい幸せな人なんだなと。そういう風に生きていたんだなと、すごく感じます。


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