~一緒に14の人生を旅してみませんか?~
ジェイソン・ロバート・ブラウン(Jason Robert Brown、以下JRB)がソングス・フォー・ア・ニュー・ワールド(songs for a new world、以下SFANW)をミュージカル・"レビュー"と呼ぶのには、わけがあります。それは、この作品が一つの物語をなしているのではなく、作曲年代も、題材もバラバラに書かれたオムニバス・ミュージカルだからです。
音楽のスタイルも多岐に渡ります。ポップス、R&B、ゴスペル、ジャズ、クラシック…。人生の数だけ物語があり、そして音楽のスタイルがあります。
物語のテーマも、愛、別離、憎しみ、戦争、旅立ち、夢、再会、希望、不安、誕生に死…まさに人生の様々なターニングポイントが描かれています。
では、この作品はJRBの単なる作品集なのか、というとそれは違います。この作品には大きなテーマが一本、力強く貫かれています。「人生における岐路に立つ人々の物語」、というテーマが。
人は、人生の新しい扉を開けようとする時、希望に満ちて、または不安におびえながら、前へ進むために扉を開けます。そしてその選択は人生に大きな影響を与えます。なぜなら時は前にしか進まず、逆戻りは出来ないから。あとからその選択を間違ったものとして、過去を否定することは難しくありません。しかし、やり直すことは、残念ながら出来ないのです。
そんな人生という道の分岐点の物語を、JRBは誰にでも起こりえるシチュエーションで語ります。彼らしいウィットに富んだジョークを交えながら、美しい詩で、早口でまくし立てて…人生の岐路に立った人がどのようにして人生の新しい扉を選択し、どのように生きていったのかを語るのです。
作詞・作曲の両方を手がける彼だからこそ、言葉に全てを語らせずに音楽に物語を委ねることもあります。そして、JRBの歌詞では結末が語られません。まるでそれは、私たち自身がその後の人生を考えるんだよ、と言っているかのように。
JRBはそれぞれの物語を通じて、私たちに語りかけるのです。
「この物語に出てくる人たちは、何も特別な人じゃないんだ。そんな彼らがどうやって人生を歩んだのか、そこから学ぼう。恐れることはない、明日への扉が新しい物語を始めようと待ってるよ。」と。
そんな物語たちに、JRBは素敵なプロローグを用意しました。この作品のために書き下ろした4人が歌う「新しい世界へ(New World)」です。そこで4人が私たちに呼びかけます。「今が飛び立つ時だ、こちらへおいで!」と。この曲が、私たちを14の物語へ誘います。その物語は、決して甘いものばかりではなく、私たちは新しい扉を開けることを躊躇うことになるかも知れません。
しかし、エピローグではJRB自身の言葉でこうも語りかけます。「僕の歌を聴いて(Hear My Song)、僕を信じて。みんな、大丈夫だよ」、と。そして最後に、14の物語は終わりを告げ、あなた自身の新しい物語が始まります。JRBの言葉に背中を押されて。「新しい世界があなたを呼んでいるんだ。」と。
SFANWは、プロローグ、エピローグつきの、14の短編オムニバス・ミュージカルです。JRBの音楽を信じて、一緒に14の人生を旅してみませんか?これらの人生の中に、あなたの人生を生きるヒントが隠れているかもしれません。
今日も訪れる、明日という新しい一日に感謝を込めて。
