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2014年1月17日、日本初演となるミュージカル『シスター・アクト~天使にラブ・ソングを~』の製作発表記者会見が、作品にちなみ青山のセントグレース大聖堂で行われ、瀬奈じゅん、森公美子、石井一孝、吉原光夫、村井國夫、鳳蘭、演出の山田和也が登壇し、報道関係者とご招待オーディエンス約100名様を前に、意気込みを存分に語りました。







山田和也
(演出)
「ウーピー・ゴールドバーグが主演しました『天使にラブ・ソングを・・・』という映画がありました。この映画がミュージカルになったわけですが、映画と舞台版とでは少し設定が違っております。主人公のデロリスというしがないクラブ歌手が、殺人事件を目撃したことでギャングに追われて命を狙われる身となってしまい、どこかに逃げて隠れないといけない。そこで修道院に逃げ込んだところから巻き起こるコメディとなっています。『お熱いのがお好き』というコメディ映画が昔ありましたが、ギャングを殺してしまったしがないパントマイマーが、女装をして女性楽団に潜り込んで身を隠すというストーリーと構造的には似ていると思います。舞台は1977年、この年は映画『サターデー・ナイト・フィーバー』が大ヒットした年でありまして、その時代を席巻していた音楽というのはディスコミュージックだったわけです。デロリスの台詞にも出てくるのですがドナ・サマーであったり、世代によってはとても懐かしく感じるテイストの音楽をアラン・メンケンが作曲しています。このアラン・メンケンという人は『リトル・ショップ・オブ・ホラーズ』やディズニー映画の『美女と野獣』『アラジン』『ポカホンタス』の音楽を作っていて、この彼がウーピー・ゴールドバーグと一緒に作ったミュージカルになります。初演はロンドンですが、ブロードウェイやヨーロッパ各地でも上演されていて、ついに日本で上演されることになりました。とっても素敵なストーリー、これが一番の見所でもあると思います。しがない日常を送っている人たちが音楽によって変わっていく様や、価値観の異なる対立する人たちが音楽を通じて心を通わせていく姿など、そういう素敵なストーリーの中で、映画をご覧になった方はご存知と思いますが、廃院になりそうな修道院に、ギャングから身を守るためにウーピー演じるデロリスが不本意ながら逃げてきて、規律通りに生活しなくてはならないことが嫌でたまらない修道女達にディスコミュージックを教えることでのカルチャーギャップであったり、そこで起こる波紋であったり、笑いが起きたり、新しい人間関係が生まれたり、素敵なことがどんどん起こるという、そういうミュージカルになっています。とにかく、この顔ぶれで素敵な音楽を、笑いを堪能して頂ければと思います。素敵なショー的なシーンもたくさんありますので、どうぞご期待ください。」


瀬奈じゅん
(デロリス役)
「この作品は日本では珍しい、なかなか少ない、女性が主導権を握って進行していくミュージカルになっています。出演者の皆さん、とてもパワフルな女性ばかりですので、パワフルにソウルフルに楽しく演じたいと思います。よろしくお願いします!」


森公美子
(デロリス役)
「デロリス役を演じます森公美子でございますが、実はこの格好、自前なんでございます(笑)!私は修道院に逃げて入っていくわけですが、どうも馴染めないという役所でして、色々な部分で本当に面白い、こんな楽しくて面白いコメディがあったのかというくらい、今はわりと暗いミュージカルが多いですが、こんな面白いものは久しぶりだと思います。ぜひ皆さん会場に足を運んで頂きまして、思いっきり笑って感動してぜひエンジョイして頂きたいと思います。本当にWキャストということで、「形」が違うWキャストとなっております(笑)。瀬奈さんも楽しい、私も楽しいというわけで、必ず二度観て頂きたいと願っております!!6月、皆さん、帝国劇場でお待ちしております。アーメン!」


石井一孝
(エディ役)
「エディという警察官の役を演じますが、この作品に2つ縁を感じています。ひとつは、このエディが汗っかきで“スウェッティ”エディということのようでして(笑)、僕はミュージカル界の三大汗っかきで、そんな自分の体質がいつも呪わしかったのですが、今回は誇らしく思っております。役作りせずともその“スウェッティ”は表現できると思います(笑)!それから、実は映画『天使にラブ・ソングを・・・』のパート2の方で、吹き替えをやらせて頂きました。20年くらい前になるわけですが、歌が好きだけれど気弱な黒人の男の子の役で、そこから20年経って警察官役ということで勝手に縁を感じています。ストーリー上では怖いギャング役の(吉原)光夫くんから、瀬奈さんと森さんを守るという設定ですので、身を挺してお二人を守りたいと思います!きっと汗はダラダラだと思いますが(笑)よろしくお願いします!」


吉原光夫
(カーティス役)
「映画『天使にラブ・ソングを・・・』は大好きで何度も見ていまして、映画でのハーヴェイ・カイテルの役を演じさせて頂きますが、彼のことがすごく好きなので光栄に思っております。デロリスの愛人の役ということで、その辺は深く強く役作りしていこうと思っています(笑)!殺人現場のシーンもありますので、全力で挑もうと思いますので(笑)どうぞよろしくお願いします!」
*Wキャストの大澄賢也さんはお仕事の都合でご欠席。


村井國夫
(オハラ神父役)
「今回は、先ほど瀬奈さんが仰ったように圧倒的に女性が強いですので、男が霞むんじゃないかというくらいパワフルだと思います。(森さんを見て)今日はこんな飛び道具を持ってきてさっきから笑いが止まりません(笑)。今これだけ笑って慣れておけば、本番は笑わずに真面目に出来てよいかなと思っています(笑)。僕も『天使にラブ・ソングを・・・』は大好きで何度も見ています。サウンドが我々の青春時代によく聞いた音楽で、僕が歌うところはないのですが非常に懐かしく思います。今回は、皆が一生懸命やっているのを静かに見守って楽しみたいと思います。本当に面白いミュージカルになると思います。先ほど森さんが仰ったように日本人は暗いミュージカルの方が得意です。コメディはなかなか上手くいかない、難しいですが・・・今日で安心しました(笑)!ご期待ください。」


鳳 蘭
(修道院長役)
「私も映画の『天使にラブ・ソングを・・・』は5度程見ています。村井さんが仰ったようにサウンドがとてもノリが良くて楽しくて大好きな映画です。ずっとデロリス役のウーピーばかり見ていたので、まさか自分がカチコチの修道院長を演じることになるとは思いませんでした。今度は修道院長を集中的に見て勉強したいと思っています!自分にはない要素の役で、結構私は明るい方ですので(笑)、カチンコチンに演じられればと思います(笑)!」




―瀬奈さんと森さんはWキャストですが、魅力が大きく違うお二人だと思います。どんな所をお互い盗みたいか。またそれを受けて、演出の山田さんはどのように魅力的に見せたいか、教えてください。

瀬奈: 「もうとにかくパワフルでらっしゃるので、存在感とか、女性が主導権を握ると先ほどお話しましたが、その要素をすごく持っていらっしゃると思うのでそこを見習いたいです。このあと、歌唱披露もさせて頂きますが、デロリスとして一緒に歌うのはこれが最初で最後になります。この一回を楽しみながら、いっぱい吸収させて頂こうと思います!」
森: 「今回まず、なんでWキャストなの?違い過ぎるでしょ!と思ったんです(笑)!『レ・ミゼラブル』もですが、大体似た雰囲気の方が演じるのに、なんでかな~と。この会見が終わったら、やっぱりやめましょうと言われるんではないかと思っているくらい今でも信じられません(笑)。ですので、これが見納めかもしれません(笑)!瀬奈さんは歌も踊りも素晴らしいし、吸収するところだらけなんで、私は立っているだけなので色々と教えてください。(山田さんに向かって)山田さん、これは同じダンスの振りとかやってしまうんでしょうか?息の切れ方が違いますので申し訳ございません(笑)!その辺、どうぞよろしくお願いします!」


山田: 「どちらのバージョンも見て頂ける東宝の作戦勝ちみたいなところはあると思います(笑)!どちらを見ても、この人以外あり得ないと思うことになると思います。それぞれに良さがあって、ご自身でも気付いていらっしゃらない良さがあると思うのですが、お二人の共通点は、非常にポジティブで明るい雰囲気を持っていらして稽古場でも舞台でもそれをかもし出しているところなんですね。それが、この役の一番大切なところだと思います。そういう意味ではお二人はとても似ていて、皆さんは違うと思うかもしれませんが大元は同じのように感じます。お二人がお持ちの、周りの皆を幸せにする何かは、この作品にとって不可欠なものだと思いますので楽しみにしていて頂ければと思います」


―(瀬奈さんと森さんへ)デロリスをどのように演じたいでしょうか?

瀬奈: 「まだこんな風に!という確固たるものはありませんが、音楽を聞いていると発散型でパワフルで、周りを明るくさせるような力を出せる人が歌えばかっこよくて素敵なんだろうなと思っていますので、出演者や客席の皆さんにも何か力を送れるように頑張りたいと思います」
森: 「デロリスは場末のクラブの歌手で、こんな立派な教会になんて入ったこともないような経歴の持ち主が、すべてが初めての経験というところから始まるので、そういった意味では何も知らないお客さんでもポーンと作品の世界に入れるような舞台だと思います。私はロサンゼルスでこの舞台を観たのですが、本当に腹を抱えて笑いました!一緒に行った英語のわからない日本人も笑っていて、言葉がわからなくてもシチュエーションがわかりやすくて面白い!この面白さは保証します!きちんとした言葉を話す修道女の中に、めちゃくちゃなデロリスがやってきて、皆が固まってしまいますが、そのやりとりが本当に面白いんです。そういうところで、デロリス役をエンジョイしていきたいと思います!」


―映画と舞台の一番の違いはどういうところでしょうか?

山田: 「ギャンブルタウンの町の設定が違ったり、デロリスと警官のエディが舞台版では同級生だったりと、細かい設定の違いはあります。また、物語の後半でデロリスが修道院を出て行くのですが、そこからは舞台版の方がエピソードが豊富だと思います。ただ、観た後に味わう高揚感や幸福感は同じだと思います。」
森: 「でも映画よりすごく笑ったし、舞台のほうが泣ける気がします!」
山田: 「そうですね。カルチャーギャップだったり、意見の相違、対立、価値観の相違によって生じるストレスなどを音楽が癒していくという意味では、よりミュージカルの根源が描かれているように思います。生の声でハーモニーが揃っていくところをお客様は実体験として感じるわけなので、その点では舞台のほうがよりリアルに感じられるのではないかと思います。」


―すでに和気藹々とした雰囲気を感じますが、共演される上で楽しみにされている所を教えてください。

瀬奈: 「モリクミさんとは共演出来ないのが寂しいです!カズさん(石井)は、汗を楽しみにしています(笑)!吉原さんは今回初めましてでして、こう見えて私のほうが年上なんです。なので愛人らしく頑張りたいと思います(笑)。村井さんとは何度も共演させて頂いていますが人を見守る温かさをいつも感じているので今回も楽しみにしています。鳳さんは本当に宝塚の大先輩で、今回初めて共演させて頂くのでたくさんのことを教わりたいと思います。」
森: 「私は鳳さんの大ファンでして、20何年前鳳さんが出られた『ジプシー』という舞台を毎日観に行っていて、楽屋で鳳さんに“あらま、あなた今日も来たの?”と言われていたくらいで、『レ・ミゼラブル』では同じ役でしたので今回初めて共演させて頂けるので興奮しております。石井くんとは何度も共演しておりまして、汗っかき大会では私が勝つか、カズくんが勝つかという感じで、稽古場で皆寒い寒いと言っている中二人だけ汗まみれになっているかと思います(笑)!光夫くんとは『レ・ミゼラブル』で共演をして毎晩飲み明かして楽しかったです。超マブダチでございます!村井さんも『レ・ミゼラブル』で共演しておりまして、今回の役はピッタリでらっしゃると思います。それをお伝えしたら村井さんも(モノマネをしながら)“俺もそう思うんだよ”と仰っていました(笑)。」
石井: 「僕もたくさんの方と共演させて頂いておりまして、初めてなのは光夫くんで、彼のジャン・バルジャンを拝見してなんてすごい声の人だと!今回彼のソロを聞けるのをとても楽しみにしています。鳳さんは、とても尊敬しておりまして、出てくるだけで劇場が空気から何から何まで支配されてしまうというような存在感をお持ちで、今回共演させて頂けますのを楽しみにしています。」
吉原: 「皆さん凄い方々ですので、私が何か申すのは失礼なような気がします。森さんとは『レ・ミゼラブル』で本当にお世話になりました。鳳さんは、オリジナル演出版『レ・ミゼラブル』の際にお手伝いをさせて頂いておりました。カズさんは汗を楽しみにしています(笑)。瀬奈さんはその華やかさが印象的ですし、あと私はドラマ「北の国から」の大ファンでして村井さんには一方的にたくさん思い出があります(笑)。共演させて頂くのを今から楽しみにしています」
村井: 「私も皆さん共演させて頂いたことのある方ばかりですが、光夫くんだけ初めての共演です。私もカズが話していたように、彼のジャン・バルジャンを見てとてもびっくりしました。僕らは必死になってやっていましたが、日本人の声帯もこんなに変わったのかと思いました。鳳さんは本当にこの通り素晴らしい方ですし、そしてこの瀬奈さんと森さんのWキャストというのは久々のすごいヒットになると思います!カズとは、94年の彼の鮮烈なマリウス役のデビューが印象に残っています。ただ汗がね~(笑)、今回は黒人の役ですけど、汗で白人になってしまうんじゃないかと心配しています(笑)」
鳳: 「私は共演したことあるのは、村井さんだけですので、皆さんそれぞれの性格はよく存じ上げないのでこれから分析していきたいと思います!村井さんはご覧の通り女性に優しくて大人で、ダンスだけはよくわかりませんが・・・(笑)、素敵な方です。」




ここで劇中よりミュージカルナンバー1曲が披露されました。歌唱披露映像にてご紹介。









―森さんはロサンゼルスでご覧になったそうですが、瀬奈さんも海外でご覧になったんですか?

瀬奈: 「私はニューヨークで観ました。私もまさに英語がわからない日本人ですが(笑)、それでも笑っていました!私が観た劇場よりも帝劇は広いですので、どういう表現をしたら良いのかなと考えています。私が観て感じた感動を、お客様にもお伝えしたいですね」


―森さんの今日の衣裳は自前ということですが?

森: 「以前出演したドラマで衣裳を作って頂いて、私以外に着られる人はいないということでドラマが終わってからプロデューサーの方に頂いたんです。本当のシスター以外、この衣裳を持っている人は見たことないですね(笑)。自分でもまさかまた着ることになるとは思いませんでした。すごく暑くて、これを舞台の本番でも着るかと思うと、汗疹が出来そうですね(笑)」


―今回お二人はデロリス役Wキャストですが、改めてご感想はいかがでしょうか?

瀬奈: 「森さんのデロリスはイメージ出来るのですが、むしろ私のほうがイメージ出来なくて、意外です。私なりのデロリスを作っていきたいと思いますので、森さんとの違いを楽しんで頂ければと思います!」
森: 「何で選ばれたのか、本当に今でも信じられないです。他に太ったシスターの役とかもあるので、自分はてっきりそっちの方かと思っていましたから。今日、会見があってやっと実感が沸いてきたという感じです。別の映画でウーピーの吹き替えをしたことはあるので、それはご縁があるのかなと。瀬奈さんとはダンスが全然違うと思いますが(笑)、走るシーンが多いのでヒザを鍛えたいですね(笑)!瀬奈さんより、年齢が上なので、多少人生経験が豊富かな?本当に素晴らしいコメディですので、皆さんに大笑いして頂きたいです」


―森さんは初日までにダイエットはされますか?

森: 「はぁ?(笑)この舞台の前に、別の舞台もありますので痩せられないですね!このまま突入することになると思いますので、期待しないでください(笑)」


―明日はセンター試験ですが(会見時)、お二人がされているゲンかつぎなど何かありましたら、受験生の皆さんにアドバイスお願いします。

瀬奈: 「自分を信じるのみです!アーメン!(笑)」
森: 「自分は他の人より絶対やれる!と暗示をかけるしかないです!」


―今回は地方公演もありますが、楽しみにされていることはおありでしょうか。

瀬奈: 「私は大震災の後、東北には伺えていないので今回とても嬉しく思っています。明るく楽しい作品ですので、たくさんの皆さんに観て頂きたいですね」
森:

「私は仙台出身ですので、東北の被災地へは何度も行っています。私達よりずっと被災者の方々の方が元気で、その度に逆にパワーを頂いています。こういう明るい作品で一緒に盛り上がりたいと思います!」




ミュージカル『シスター・アクト~天使にラブ・ソングを~』は、6月1日(日)帝劇にて開幕です!

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