レポートREPORT
12月に東京・日生劇場で開幕する新作ミュージカル『十二国記 -月の影 影の海-』に主演する柚香光が10月2日、兵庫県の姫路文学館で開催中の「十二国記 山田章博原画展」(12月14日まで)を訪れた。
「十二国記」は小野不由美の大河ファンタジー小説で、約35年にわたって熱烈な支持を得ている人気シリーズ。我々が住む世界と、地球上には存在しない異世界で展開される壮大な作品の装丁や挿絵などを、漫画家でイラストレーターの山田章博が全て手掛けている。展覧会では、それらの美麗な原画に加え、アニメ版の設定画、今回のミュージカルの関連資料など約400点を展示。同シリーズ本編の第一作『月の影 影の海』(新潮社)を原作とする舞台で、異界に連れ去られた後の主人公・中嶋陽子(ヨウコ)を演じる柚香は、「原画で陽子さんの色々な表情を見ているうちに、胸が熱くなるぐらいパワーを感じました。この方を演じさせていただくのだなと改めて気合が入りましたし、多くの教えをいただき、改めて、本日原画展に来れたことが本当にありがたいです」と力を込めた。
オマージュビジュアルとして自身が再現した装画の原画を食い入るように見つめ、「色味がより深く、立体感と迫力が凄いと思います」と柚香。原画に描かれた数々のポーズを真似ながら館内を巡り、「役作りの参考になりますし、目に焼き付けて、シルエットや眼差し、身体の使い方も体現したいという思いが凄くあります」と意気込んだ。
昨年5月に宝塚歌劇団を退団した元花組トップスターの柚香は、東宝製作のミュージカルに初主演。人気小説の初ミュージカル化とあって、「熱く強い思いをお持ちの原作ファンの皆様に、がっかりしてお帰りいただくことの無いよう、小野先生が描かれる小説の世界を求め、(演出の)山田和也さんのご指導のもと、ヨウコという役を深く深く学びながら役作りしていきたいなと思っています」と意欲をみなぎらせた。
公演期間は、東京・日生劇場2025年12月9~29日、福岡・博多座2026年1月6~11日、大阪・梅田芸術劇場メインホール2026年1月17~20日、愛知・御園座2026年1月28~2月1日。
- 取材・文 坂東亜矢子
- 撮影 井川由香