『ラ・マンチャの男』は、聖書に次いで世界的に読まれているスペインの国民的小説「ドン・キホーテ」を原作としたミュージカルで1965年にブロードウェイ初演。翌年のトニー賞ではミュージカル作品賞を含む計5部門を受賞。

日本では1969年の初演より松本白鸚が主演し、翌70年にはブロードウェイからの招待を受けて、マーチンベック劇場にて全編英語で現地の役者と渡り合い、計60ステージに立ちました。

半世紀を超えるミュージカル単独主演、という前人未到の偉業を成し遂げ、いよいよ《ファイナル公演》と銘打ち、2022年2月6日(日)に日生劇場にて開幕したのも束の間、新型コロナウィルス感染症の猛威の前に、公演は中断を余儀なくされ、全25回を予定していた全日程は、7回の公演を持って終了と(通算上演回数は1,314回)せざるを得ず、《幻のファイナル公演》となりました。コロナ禍における公演中止を「あるがままの現実」として受けとめつつ、未来に向かって「あるべき姿のために戦う」ことは、『ラ・マンチャの男』に関わる全ての公演関係者にとって共通するテーマであり、2023年4月に《幻のファイナル公演、奇跡の復活》上演が決定いたしました。どうぞご期待くださいませ。


16世紀末のスペイン。教会を侮辱した罪の嫌疑により、セルバンテスは従僕と共に地下牢に投獄されてしまう。教会を敵に回してでも信念を貫こうとしたセルバンテスの屁理屈のような弁舌は囚人たちを大混乱に陥れるが、牢獄を牛耳る牢名主は、セルバンテスの大言壮語を看破しようと独自に《裁判》の開始を宣言する。自身への疑いを晴らすため、自身の信念を訴えるため、セルバンテスはその《裁判》とやらに付き合い、彼独特の方法で申し開きを開始する。その方法とは、なんとも奇妙な、その場にいる囚人全員に役割を与えた《即興劇》の形式で、遍歴の騎士《ドン・キホーテの物語》を再現することであった―。
ドン・キホーテは、従僕のサンチョと共に遍歴の旅を続けながら、時には《風車》に戦いを挑み、安宿の淫売を《麗しの姫》として慕い、髭剃り用の洗面器を《黄金の兜》として崇め、ついには《大魔王》と対決する言い出す始末。彼は狂人なのか、それとも正気なのか。彼の求めてやまない《見果てぬ夢》とは、そして《この世の事実と真実》とは―。
「あるべき姿のために戦う」と訴える彼の姿の前に、《即興劇》に巻き込まれた囚人たちも心を動かされてゆくのだが…。
映画演劇文化協会は映画・演劇・映像文化の普及・発展を願い1947年に設立されました。
事業のひとつ、第47回菊田一夫演劇賞において、「ラ・マンチャの男」を演じ続けた松本白鸚が特別賞に輝きました。
その栄誉をたたえ、映画演劇文化協会は「ラ・マンチャの男」復活公演を主催いたします。

一般社団法人映画演劇文化協会