もう10年か・・・というのが率直な感想です。
スタッフやキャストと、ワイワイ楽しく作品を作っていたら、あっという間に10年たってしまいました。
10年・・・
英語ではDecade(ディケイド)と表現することがありますが、これは古代ギリシャ語で10を意味するDeka(デカ)からきています。この派生語で連想されるのは10人の男女が退屈しのぎで10話ずつ10日間物語を語る『デカメロン』(Decameron)という物語集です。そしてVOICARIONもこの10年、物語を語り続けてきました。
10年・・・
VOICARION宛に様々なファンレターを頂きました。小学生でご覧になっていた方が成人をし、学生だった方が社会人になり、ある方は結婚し、あるいはお子様をお持ちになられました。10年とは、そういう時間なのだと思います。
と、ここまで10年で韻を踏んでまいりましたが、VOICARIONのために書いた戯曲は9作なんですね。ああ!あと一作作っておけば良かった!と思ったのですが、初めて東宝さんとコラボした2012年「CROSS ROAD〜悪魔のヴァイオリニスト ニコロ・パガニーニ〜」を忘れていました。この朗読劇は、のちにミュージカルとなり、東宝さんと僕の信頼関係の礎を強固なものとしてくれました。この作品なしに、VOICARIONの10年はなかったでしょう。
すこしズルかもしれませんが、これも含めて10作品とさせてください。
今回はその10作品の中から
『信長の犬』
『孔明最後の一夜』
『スプーンの盾』
『女王がいた客室』
『龍馬のくつ』
『GHOST CLUB』
『拾弐人目の服部半蔵』
の7作品を連続上演致します。
VOICARIONは次の10年に向けて走り出します。ですが、まずはその前に、あの瞬間をもう一度思い返して頂いて、10周年のお祭り騒ぎをお楽しみください。
雨があがれば、VOICARION10年の物語が始まります。
どうぞ、心ゆくまでお楽しみください。
原作・脚本・演出
藤沢文翁