STORY & CAST

その男 中華一 性格の悪い天才軍師

秋の五丈原で一人の男が筆を手に戦略を練っている。
余命の一滴まで筆に含ませ、
今、自分亡き後、蜀軍六万の兵を一人も死なせることなく撤退させる
その方法を書き記している。

男の名前は諸葛亮孔明。

かつて、中華で一番性格の悪い天才軍師と呼ばれた男。

男はふと筆を止めて、過去に思いを廻らせる。

劉備が、関羽が、張飛が・・・

三国時代を駆け抜けた今は亡き英雄たちの笑顔が脳裏をよぎる。

人を見下し、人を信じず、人が嫌いだった自分が、
どうして今、命の一滴までを策として、
蜀軍六万を助けようとする人間になったのか。

これは、五丈原の戦いで

諸葛亮孔明が死ぬ

その最後の一夜の物語。

もう一つの三国志演義である。

諸葛亮孔明諏訪部順一

〜中華一性格の悪い天才軍師〜

知力:100 政治力:100 統率力:100 武力:0 魅力:0
素行不良、口が悪く、性格も悪く、自己顕示欲が強い、中華一性格の悪い天才軍師。趣味は口喧嘩で、いかに相手を褒め殺すかに全精力をかける。
幼い頃に父に先立たれ、叔父に育てられるも、叔父も民衆の反乱に遭って虐殺される。晴耕雨読の生活をしていたとされているが、実際は酒に溺れた自堕落な生活を送っていた。誰よりも才能があると自負しながらも、誰からも認められず仕官もできず、心もすさみ、性格の悪さと口の悪さが目立ち素行も悪くなっていたが、天真爛漫な劉備に仕え、変わってゆく。生まれつき体が弱く、晩年は車椅子で行動するようになる。料理好きで、蕪の栽培や肉まんの考案なども趣味で行っている。

姜維・馬謖朴 璐美

〜孔明に心酔するバカ真面目な天才〜

姜維:孔明を神のように崇める若き天才で、孔明の後継者。劉備も五虎将軍もなき今、唯一の戦力。性格は孔明の真逆で、孔明の嫌味も、性格の悪さも、受け流してしまう天真爛漫さを持つが、戦場では猛将となる。孔明の死後、蜀軍を無事に撤退させる指揮官を任される。馬謖の面影がある。

馬謖:孔明が自分の後継者として育てていた秀才。珍しく孔明と馬が合う男で、性格に難ありだった。孔明が過信しすぎたせいで、重大な軍務違反を犯してしまい、孔明は馬謖を処刑することとなり、そのことが孔明の人生に暗い影を落とす。

関羽雲長安元洋貴

〜軍神となった男〜

清廉潔白にして一騎当千の名将。頭脳も明晰という本作で唯一史実通りの男。ただし、融通がきかず羽目を外したい劉備に釘を刺し続ける執事タイプ。冷静沈着な男であり、孔明の嫌がらせや悪口も一切通用しない。プライベートでは、孔明が最もやりにくい男であり、戦場では最も頼りになる男。

張飛益徳山口勝平

〜最強の武力と最強の鈍感力を持つ名将〜

「飛」というその名の通り、目にも止まらぬ速さで戦場を駆け巡る。武力は関羽を凌ぐと言われており、戦場では鬼のような働きをするが、陽気な性格で愛嬌もある。孔明が日常的に張飛をからかうのは、もはや趣味の領域に達しており、張飛もその挑発に乗ってしまう。

劉備玄徳下野 紘

〜ただただ出世したかっただけの男〜

聖人君主というセルフイメージを確立させたが、本当はムシロ売りから、何が何でも金持ちになりたかっただけの男。最初は特に夢もなかったが、自分を慕う多くの人の影響を受け、本気で皇帝を目指すようになる。「漢の皇帝の子孫」というのもでまかせ。むちゃくちゃな男だが、人に好かれるという神がかった能力を持っている。そのため、着の身着のままの貧乏君主であるにも関わらず、関羽、張飛、趙雲などの名将、そして諸葛孔明を得るに至り、最後は皇帝にまで上り詰める。下世話な部分では、孔明とは共通するところがあり、生真面目な関羽や趙雲の目を盗んで悪さもする悪友である。

司馬懿仲達/曹操孟徳山寺宏一

〜孔明を誰よりも恐れ崇拝した秀才〜

魏の大都督にして、孔明率いる大軍勢にどれだけ罵られ、孔明にからかわれ、「戦場に出ないならこれを着て踊っていろ」と女の衣装を贈られてまで一歩も城を出て戦おうとしなかった。自分の才能は孔明には絶対に敵わないと自負している。生真面目で、用心深く、ストレスもためやすいため、常に胃痛に苛まれている。孔明さえいなければ、中華にその名を轟かせる名軍師であった点では周瑜に似ており、それだけに周瑜の二の舞になるまいと、殻に閉じこもっている。

司馬昭/荀彧島﨑信長

〜野心に満ちた反逆者〜

司馬懿の息子にして、後に魏に反逆を起こし普の皇帝となる司馬炎の父親。 父、司馬懿の死後、謀略の限りを尽くして魏を乗っ取る足固めをし、それを引き継いだ息子が皇帝となる。気弱な父と異なり、残虐で合理主義。自分自身を孔明や父である司馬懿より有能だと思っている。事実、本作でも司馬懿をよくサポートし、孔明と善戦する。