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REPORT

2017年8月22日(火)、日本初演50周年を迎える『屋根の上のヴァイオリン弾き』製作発表記者会見が開催されました。プレス関係者とオーディエンス約200名が見守る中、劇中のストーリーになぞらえ、それぞれのカップルが結婚披露宴のような入場で会見はスタート。まずは、会見冒頭の入場曲をご覧ください。

歌唱披露①「サンライズ・サンセット」

ご挨拶

市村正親 (テヴィエ役)
「こんにちは、テヴィエ役の市村正親です。公演はまだ先の12月なので、ヒゲも生えておりません。今の仕事が終われば、いよいよヒゲをはやして段々テヴィエになっていくと思います。今回も新しいメンバーと、古いメンバーと(笑)僕らも(鳳さんを見て)だいぶ一線を越えているので(笑)素晴らしい、楽しい、家族のミュージカルをお届けしたいと思います。よろしくお願いします!」
鳳 蘭 (ゴールデ役)
「鳳蘭です。前回よりも、前々回よりも皆様に感動していただけるよう、心を込めて演じます。(市村さんは)私のかかぁ天下ぶりを上手に引き上げてくださる。ちょっとしか怒っていないのに凄く怯えてくださる(笑)私が凄く怖い奥さんになってしまっているんですけど、本当にいっちゃん(市村さん)のお陰で成立していると思います。どうぞよろしくお願いします」
実咲凜音 (長女ツァイテル)
「ツァイテル役をさせていただく実咲凜音です。本日、製作発表を迎えて、『屋根の上のヴァイオリン弾き』がいよいよ始まるんだな、とワクワクする気持ちと身の引き締まる思いでいっぱいです。私にとりまして、宝塚歌劇団を退団いたしまして、はじめてのミュージカル作品となります。初演から50周年という記念の年に、参加させていただけること、そして素晴らしい共演者の皆様と一緒に舞台を作らせていただけることを凄く凄くうれしく思っております。少しでも成長できるように、日々たくさん吸収していきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします」
神田沙也加 (次女ホーデル)
「次女ホーデル役をやらせて頂きます神田沙也加と申します。この度、『屋根の上のヴァイオリン弾き』には初参加となります。歴史ある作品ですので、出演が決まった時はすごく興奮しました。いつかご一緒したいと思っていた先輩方に勉強させていただきたいと思っております。あと、個人的には私は一人っ子なので、ワイワイ姉妹の役ですとか、家族一緒で楽しい場面とか、時に切ないシーンだったり、そういう時間を過ごせることを楽しみにしています。一生懸命がんばります。よろしくお願いします。」
唯月ふうか (三女チャヴァ)
「チャヴァ役を演じさせていただきます唯月ふうかです。初演から50周年という記念すべき年に初参加させていただくのをとてもうれしく思っています。そして、素敵なキャストの皆様と一緒に舞台に立てることを本当にうれしく思っています。私も沙也加さんと同じく一人っ子で、姉妹の役が初めてなので、すごく今から楽しみです。仲良く、楽しく、そして精一杯頑張りたいと思います。よろしくお願いします。」
入野自由 (仕立屋モーテル)
「気弱な、しがない仕立て屋をやらせていただきます入野自由です。前回はパーチック役をさせていただきましたが、今回新たな気持ちで、この伝統ある作品に真摯に取り組んでいきたいと思います。皆様どうぞよろしくお願いいたします。」
広瀬友祐 (学生パーチック)
「パーチック役を演じさせていただきます広瀬友祐と申します。今回この作品に出演できるのを本当にうれしく思っています。また、その気持ちを責任に変えて、精一杯自分らしいパーチックを演じられたらな、と思っておりますのでよろしくお願いいたします。」
神田恭兵 (ロシア人青年フョートカ)
「こんにちは、フョートカ役を演じさせていただきます神田恭兵です。50年日本で上演され続けているミュージカルに出演できるのは本当にうれしいですが、これをもっともっと続けていく使命を担ったんだなと身が引き締まる思いです。市村さんと鳳さんにチャヴァとの結婚を許してもらえるように頑張っていきたいと思います。(市村さんに頭を下げて)どうぞどうぞよろしくお願いいたします!」

質疑応答

Q:日本初演から50年とのことですが、50年愛され続ける理由、色あせない理由はどこにあると思いますか?

市村正親「森繁(久彌)さんがいなかったら、日本でこの作品は定着しなかったと思います。僕自身も観ました。そして森繁さん自身がおっしゃっていましたがこの作品の強さ、アナテフカでのユダヤ人の色々な家族の問題、人種の問題とか、内容が豊富で、作品としての出来が何よりも素晴らしいと思います。音楽も良いです。私も演じていて、それぞれの娘がそれぞれに独立していって、親の思っていたのと違う方向に進んでいくのを、私自身も感じることがあります。13年前にテヴィエを引き継ぎまして、僕が持つ若さと、エネルギーと、情熱が、この『屋根の上のヴァイオリン弾き』を支えているんだなと、自分だけで思っています(笑)。」

鳳 蘭「ミュージカルが愛される三大要素、ドラマ、曲、ダンスの全てが揃っている、だからこそこうして世界に残っている名作なんだなと思います。100%、すべてがいいです。」

Q:新キャストの皆さんは、本作に出演を決めた理由、その時に心境をお聞かせください。

実咲凜音「宝塚歌劇団を辞めて初めての作品ということで、素晴らしい作品であり、素晴らしいキャストの皆さんとご一緒させていただけるということが私にとりましては、すべてが新鮮で、学ぶことばかりなので、是非この作品でチャレンジできることがあるとすれば、何か自分の中で殻を一つ破りたいという思いで、この作品を受けさせていただきました。とても素敵な作品ですし、ツァイテル役としても、長女なので引っ張っていけるようにしっかり者のところを出せていけたらな、と思います。」

神田沙也加「市村さんと鳳のさんの『屋根の上のヴァイオリン弾き』のポスターを、歩きながら見ていた記憶がずっとありまして、そこに自分が参加させていただけるとは夢にも思わなかったです。いつかご一緒させていただきたいと思う先輩方だったので、今日同じ席でこうして並んでいられるのをとてもうれしく思っています。原作も読みましたが、書かれ方もとても好きで、お話としてもとても好きだなと思いました。曲も少しだけ触れさせていただきましたが、大事に歌わなければと思うナンバーも多いですし、挑み甲斐があると思いました。今とても気が引き締まっていますし、楽しみです。」

唯月ふうか「歴史ある作品に出演できると聞いた時に、すごく、素直にうれしいと思ったことと、こんなに豪華なキャストの皆さんと一緒に出演できるので、本当に頑張らないという気持ちで一杯でした。」

入野自由「前回パーチック役で参加させて頂いた時は、経験も浅いということもあり、自分が演じることに一生懸命すぎて、作品のことを深く掘り下げることができなかったという思いがありました。今回モーテル役としてお話をいただいて、これまで色々なことを経験して、今ならもっと役や作品のことを掘り下げられると自分で思えたので、『是非やらせてください』とお答えしました。」

広瀬友祐「出演のオファーをいただけたこと自体感謝の気持ちで一杯です。市村さんとご一緒できることを本当にうれしく思っています。隣にいる入野君も演じていましたが、これまでたくさんの先輩方がパーチックを演じてこられた中で、自分らしいものを見つけられたらな、と思っています。一生懸命頑張りたいと思います。」

神田恭兵「音楽を聴いたときに、『あ、この作品大好きだな』とすごく思いました。出演が決まって、この世界観に触れられることがうれしいと同時に、50年間続いてきた作品なので、その作品の奥行きをしっかりと出せる俳優なのかを試されている場になると思いました。これだけ素敵なキャストの方々がいらっしゃいますので、稽古から一瞬も逃さずに、僕なりのフョートカを築きたいという気持ちで臨んでいます。」

Q:50周年記念公演の大千穐楽が市村さんの出身地の川越ということで、そのお気持ちと楽しみなどをお聞かせください。

市村正親「川越に素晴らしい劇場ができまして、こけら落としの時にごあいさつに伺いました。この劇場で何かやれたらいいな、と思った時に今回の『屋根のヴァイオリン弾き』の上演が決定して、東宝さんに『何とか川越で上演できないだろうか?』とお願いしたら、1回だと思ったら、3回も組んでくれて(笑)これは大変だと思いました。これから川越に帰って、チケットを売りに歩かなきゃならない(笑)。自分の故郷で上演するのに満杯じゃないというのは残念なので、しばらく川越に入り浸って動員に励もうかと思っております(笑)。父も母も、もうこの世を去ってしまっていますけども、二人が観にくるつもりで頑張りたいと思うし、当然、地元の友達、応援して下さる方が沢山いますので、きっと盛り上がる大千穐楽になると思います。できれば最後、キャスト、スタッフ、みんなに大入りが出せるくらいの切符を売ってきます(笑)。」

Q:名曲揃いのミュージカルですが、その中のナンバーで「しきたり」という曲があるかと思います。それにちなんで、皆さんがご経験された、またはご家庭でのユニークなしきたりはありますか?もしくは、舞台前のジンクスやゲン担ぎといった、ご自身のユニークなしきたりはありますか?

市村正親「楽屋には必ず父と母の写真、島田正吾先生の写真、山田五十鈴先生の写真を飾っています。最近は、蜷川幸雄さんの写真も増えましたが、私が大変影響を受けた方々に、『今日も頑張ってきます、行ってきます!』といってから舞台に立つのが、私が必ずやるしきたりです。」

鳳 蘭「しきたりはありません!ただ、過去に好きな方がいて親に『結婚したい』といった時に許してもらえなくて。その時に自分に子供ができた時に、だれを連れてきても結婚させる、OKしよう!と思いました。今その通りにして、うまくいっているので良かったです(笑)自分が反対されたことを、絶対反対しないというのが私のしきたりです(笑)。」

実咲凜音「宝塚を退団した時に少しゆっくりできる時間ができたので実家に帰った時に、父が机の上に季節のフルーツを沢山ドンと出して待っててくれます。しきたりとはちがうと思いますが(笑)。」

神田沙也加「私は犬を今2匹飼っているのですが、1匹は今11才になります。もう片方はまだ小さくて、後から飼う時に、元々いた“先人”の方こそ大事にしよう!と思いまして、小さい可愛らしい方ばかりをかまわないで、一日のうちで同じくらい撫でてあげて、大好きだよ!と同じように言ってあげるのを私のしきたりにしています!」

唯月ふうか「家族のしきたりは、平凡なので・・・。ただ、公演前にかならず、鏡の前で『行ってきます!よし!』と笑顔で言ってから舞台袖に向かうようにしています。そうすると、いい意味で自信がついて成功できると安心して舞台に立てるので、それを自分のジンクスにしています。」

入野自由「物心ついたころから、僕の両親のことを『お父さん』『お母さん』とは呼ばずに、愛称で呼び合っています。(MCから「なんて呼び合っているのですか?」という質問に対して)それは恥ずかしいので言えません!(笑)」

広瀬友祐「毎公演、作品ごとにゲン担ぎを見つけていくので、また『屋根の上のヴァイオリン弾き』で新しいゲン担ぎ方法を見つけていきたいと思います。」

神田恭兵「今お話を聞いていて、自分と同じことをしている人がいるなと思いました。舞台が始まる直前に、舞台に一番近くて感じられる所で手を合わせて、僕を育ててくれた家族だったり、関わりのある自分の身近な人のことを考えるだけで、本当に舞台がスムーズに進んでいく気がするんです。それを毎回毎回欠かさずやっています。」

Q:市村さんと鳳さんは2009年以来の名コンビ、名夫婦役ですが、それぞれの魅力を感じているかお聞かせください。

市村正親「もう鳳さんは、ご覧のように本当に大らかで、何も考えていないようで実は色々なことを考えていて、(鳳さんに耳打ちされて)繊細で(笑)、強烈で、野蛮で(爆笑)、コミカルで、そして泣き虫でね。“女房”というイメージを全部兼ね備えている人です。本当はテヴィエもしっかりした男のはずなんですけど、ツレちゃん(鳳さん)と夫婦をやっていると、全部こっちに任せておいた方が、人生うまくいくのかな?と思わせてくれる。今回もしっかり、この豊満な胸の中でね(笑)観音様の腕の中で生きるように、また夫婦をやれたらいいなと思っております。素晴らしい女優さんであり、母親であり、女性です。」

鳳 蘭「だいぶまゆつば(笑)。さっきも言いましたが、私がちょっとしか怒っていないのに、ものすごくオーバーに怯えてくれるので、この舞台を観た人はきっと私と結婚したいと思わないと思います(笑)いっちゃん(市村さん)と舞台をやったらきっと再婚はムリだと思います。というくらい、彼が私を完璧なかかぁ天下に押し上げてくれているんだなと思います。」

~ここからは夫婦漫才トーク~

市村正親「怖い役じゃないよね、ゴールデって?」
鳳 蘭「でもあなた、すごく怯えるでしょ?怖がるでしょ?」
市村正親「いや、それはそう台本に書いてあるからね」
鳳 蘭「だからあなたは台本をちゃんと読んでいて、私は普通に読んでいるだけ。深読みし過ぎですね。」
市村正親「「ありがとうございます~(笑)。」

宴もたけなわの中、三姉妹による「マッチメイカー」の歌唱披露に移ります。

歌唱披露②「マッチメイカー」

締めのご挨拶

市村正親「今、♪マッチメーカーを後ろで聞いていて、『屋根の上のヴァイオリン弾き』というのは本当にいいミュージカルだなぁとしみじみ思って聞いていました。先ほどからどうして50年も続いているのかと質問を受けた時に、人間、家庭、家族、その中で描かれることというのは普遍的な話なんだなと思いました。このミュージカルは他にも沢山名曲が揃っています。ここにいる新しいメンバーと、今回肉屋のラザール役に今井清隆君を、僕がどうしても彼のラザールが見たいということをお願いして実現しました。今までとは違った『屋根の上のヴァイオリン弾き』ができるような気がしております。僕も13年前からテヴィエを演じておりますが、3年前にやった事は忘れて、ゼロから稽古場で新しい発見があると思います。ご期待と応援のほどをよろしくお願いいたします。ありがとうございました。」

囲み取材

Q:オーディエンスがいる会見、いかがでしたか?
市村正親「最近はお客様が見てくださる前での会見は多いので、ここで一生懸命宣伝しておけば(笑)一人が10枚くらい買ってくださるといいかなと(笑)よろしくお願いいたします!“お客様は神様”ですから。」
Q:お二人は息ぴったりですけど、共演者の相性というのはあるのでしょうか?

市村正親「ありますね、息ぴったり。」
鳳 蘭「昔から知っていますからね。先輩がやっていたお店でね。その店が閉店する時に二人で手伝ったんです。その時はまさか、いっちゃんと舞台をやるなんて夢にも思っていなかった。」
市村正親「鳳さんと釣り合いが取れないと思ったんです。こんなに派手でしょ?僕、すごく地味じゃないですか?(笑)」
鳳 蘭「二人とも濃いですよね?」
市村正親「二人で『テルマエロマエ』に出れそうだよね?(笑)」

市村正親「ところで、さっきも♪マッチメーカーを聞いていたけど、ほんとにウルウルしてきちゃう。娘が旅立った後の話もあるし、よくできている作品。3年ぶりにやらせていただけるというのは本当にありがたいですね。特別な作品だと思います。」
鳳 蘭「誰の心にも感動を与えるところでしょうか?それぞれの方にひっかかる話やエピソードのようなものがあるんです。」

Q:初共演の方が多いですが、先輩として気遣うこととかは?

鳳 蘭「実咲さんが宝塚退団後初舞台ということで、お手紙をいただいたんです。『はじめてなので、よろしくお願いします』って。『大丈夫、任せなさい』って返事を書きました。不安なこともありますよね?」

市村正親「入野君、広瀬君、神田君にしても、まだ若いですから。自分の息子のように思えるし、自分の娘を奪っていく男でもあるのですが。年齢的に本当の親と青年たちみたいな感じです。最初にこのミュージカルの話を頂いたとき、僕はモーテル役だと思ったんです。それが、『テヴィエだよ』って言われて。『僕はまだ早いですよ!』って言ったんですけ、扮装したらピッタリで(笑)。それが13年前ですね。」

Q:最後にメッセージを

鳳 蘭「いっちゃんも言っていましたが、後ろのお客様、一人100枚くらい買ってください。(笑)よろしくお願いします。」

市村正親「漫才夫婦のように感じるかもしれませんが(笑)バンザーイ!(笑)よろしくお願いします!」

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