HISTORY

『ローマの休日』と東宝ミュージカル上演史

2000年帝劇公演プログラムより抜粋
寄稿:小藤田千栄子(映画・演劇評論家)

東宝ミュージカルの歴史は、戦前から数えれば、半世紀を遥かに越え、いくつもの海外ミュージカルの上演を経て、いま『ローマの休日』で、ふたたびオリジナル・ミュージカルに戻ってきたと言える。ちょっと大仰な言い方をすれば、オリジナルこそ、小林一三(1873~1957 阪急東宝(現・阪急阪神東宝)グループ創業者)以来の東宝ミュージカルの夢であったような気がする。東宝ミュージカルの歴史を築いたのは菊田一夫(1908~1973元・東宝株式会社 専務取締役 東宝演劇中興の祖)だが、その菊田氏の夢を、翻訳ミュージカルのノウハウのすべてをつぎ込んで作りあげたのが『ローマの休日』なのだと言っていいと思う。